7/5~11に摂取したエンタメ
本、音楽、ドラマなどのエンターテインメントによって私の日々の生活は支えられているわけです。せっかくなので見たものや聴いたもの、できればそれに対するちょっとした感想でも残しておければ後々楽しいかもなあと思ったので、週ごとに記録してみることにする。今回はトライアルでひとまずやってみる。
〇本
原田マハさんは大好きな作家さんのうちの一人。美術鑑賞が好きで耽美的な文体が好きな私にとって、これほどまでにハマる作家さんはいないと思う。いやむしろ、マハさんの作品を読んだおかげで芸術に興味を持ったのかもしれない。今となってはどちらが先か分からない。
『たゆたえども沈まず』はもう少しで読み終わるところ。表紙に使われているのはご存じゴッホの「星月夜」。作中にこの絵画が登場するシーンはやはり感動する。『楽園のカンヴァス』の「夢」や『暗幕のゲルニカ』の「ゲルニカ」もそうだけど、読了後はモチーフの絵画をもっと好きになる。どこまでが史実でどこからがフィクションかよく分からなくなる、その曖昧な心地よさも魅力だと思う。ゴッホにテオという弟がいたことは知っていたが、ここまでこの兄弟に深くのめり込むことになるとは思わなかった。あと十数ページで読了。みんなが幸せになってほしい。
〇音楽
・「HELP EVER HURT NEVER」(アルバム)藤井風
「何なんw」藤井風
今週は通勤中こればっかり聴いていた。藤井風さんは、このアルバムに収録されている「優しさ」はそれまでちょくちょく耳にして知っていた。それと「何なんw」はタイトルだけ知っていて、SORASHIGE BOOKでも紹介されていたようなので気になっていた。こういう時に定額の音楽配信は便利。ちょっとした好奇心をすぐに満たせる。そこで「HELP EVER HURT NEVER」を聴いてみた。
「何なんw」は案の定私のどタイプの曲だった。ストリングスで始まったかと思えばバリバリのお洒落サウンド、からの「あんたのその歯にはさがった青さ粉に」の唐突感。何もかもが良い。Cメロの「裏切りのブルース」の後のなんて言ってるか文字で表現できないスキャット?的なあれも良い。やるせなさや虚しさ、軽い憤りをくだけた言葉で消化しようとしている感じもいい。こういう強がってる歌詞大好き。
「死ぬのがいいわ」あたりも好き。行き過ぎた感情を感じさせる曲には非常に心を揺さぶられる。
〇ドラマ
【放送中】
・MIU404(第3話)
星野源と綾野剛のやつ。放送が決定された時からずっと見よう見ようと思っていたけれどなんだかんだで時期を逃し3話から視聴スタート。3話は高校の陸上部が廃止になって鬱屈した高校生が警察と鬼ごっこするために虚偽通報を繰り返す話だった。大人には間違った道に進む子どもたちを進むべき道に向き直してあげる義務がある。確保されて家裁送りになって、彼らが適切な叱責や許しを得て更生できればいいなと思う。それからネット死刑の問題。これも最近話題にしてる作品が多い気がする。赤の他人がまるで娯楽みたいにどこかの事件を消費してるのはなんか嫌なものがある。事情もよく知らない他人を叩くぐらいなら、美味しいもの食べたり面白いマンガ読んだりして発散したほうがよっぽど健康的だと思う。まあ司法がちゃんと判断して裁いてくれることが大前提なんだけど。それからマネージャーの女の子も、誘拐されて心の傷が極力残らずに生きていければいいのだけれど。何もなくてよかったとかじゃない。犯人も結果的に発見を遅らせた少年らもしっかり反省してほしい。岡崎体育はめちゃくちゃはまり役だった。キャスティングの妙。
・私の家政夫ナギサさん(第1話)
私が好きなタイプの働く女性ドラマ。「仕事のできる女になってほしい」という母からの期待を一身に背負うMR(医薬情報担当者。製薬会社の営業担当とのこと)であるメイの家にひょんなことから家政夫が派遣される話。
同業他社に案件を持ってかれそうになって焦り、徹夜で勉強して医師へのプレゼンに挑むものの、その前に制され他者との契約を決めたことを告げられる。あのシーンは社会人としてはつらいものがあった。頑張ってあれこれ働いて、結局その努力の方向がそもそも間違っていたと分かった時の虚しさ情けなさを思うと苦しくなる。相手方の医師が他者に決めた理由の真っ当さと、メイに対する真摯さ・否定しまいとする優しさがまたキツい。そのまま同行した部下を先に帰らせ自分は早帰りして家で飲酒に走る、みたいな時の気持ちは働き人なら誰もが共感したんではないかと思う。あるよね、そういう時。
そんな弱ってるときに、あって3日そこそこの家政夫であろうが何だろうが頑張りを肯定してくれる人がいたらどんなにいいだろうと思う。私の家にも来てほしい、ナギサさん。反射的にとりあえず慰めの言葉を掛けるんではなくて、寝食を惜しんで勉強して努力していることをしっかり分かった上で言ってくれてるのが良い。頑張ったことを「頑張ったね」って言ってもらえるのって、本当に嬉しいことだ。
【過去作品】
最近色々と悩みというか考えごとが多くて、そんな時にふともう一度見たくなった。リアルタイムで見ていた時から、このドラマは自分に重なるところが多くて刺さる作品だなあと思っていた。